夜中のランニング

ある日の夜、ふとランニングをしたくなり、自転車に乗った。
一応言っておくが、サイクリングをするつもりではない。
走るために近くの運動場まで移動するからだ。
コンクリート上を走るのは膝を痛める可能性があり、あまりよろしくない。
道中は特に何事もなく、10分程で目的地に着いた。
自転車を停める。
まずは、携帯音楽プレイヤーを取り出し、イヤホンを耳に装着する。
複数ある曲群の中からひとしきり迷った後、先日購入したメタリカの新譜を選び再生する。
スピード感あふれる音が脳を刺激してきた。
今の気分にはちょうどいい。
さて早速走るか、と足を踏み出し運動場の内部に侵入した。
「ぐちゃ」
土を踏むと足に若干不快な感触が…。
そういえば、朝か昼ぐらいに雨が降ってたような気がする。
とはいえ、そこまで酷いぬかるみではない。
ベストな環境とは言い難いが、せっかくここまで来て気分も乗ってきたのに中断するのも癪だ。
少し気にならなくもないが、ランニングを開始した。
しばらく走っていると、ぬかるみの事も気にならなくなってきた。
耳元で鳴る爆音を聴きながら、いつしかランニングハイに突入したようだ。
どこまででも走れそうだ。
…というのは気のせいで大した距離は走ってないハズだが早くも疲労困憊だ。日頃の運動不足を痛感する。
「今日はこれぐらいで勘弁してやるか」
誰に言っているのか分からない言い訳じみたものを吐き出しながら自転車に乗り、帰路につく。
しばらく走っていると違和感に気がつく。
違和感は嗅覚からだ。
まさかと思いながら、しばらく進む。
臭いは消えない。
この臭いは犬か、猫だかのフンの臭いだ。
思いつきで行動するもんじゃないなと自嘲しながらしばらくランニングはいいかなと思った。